漏れ箇所を特定するためリフトアップして診断すると定番のエンジンヘッドカバー及びチェーンケースカバーよりエンジンオイルが漏れているのを確認しました。
修理するために脱着するマフラーのボルトやナット、その他錆びている箇所が数か所ありましたので錆を磨ける箇所は磨いて、欠損している箇所は交換しています。
修理後、オイル漏れも焦げ臭さもしっかりと無くなりました。
点検を行うとオイルパンのゴムパッキンから漏れているように見えるのですが、良く見るとミッション内部に入って行くシフトリンケージから漏れが生じているのが分かりました。
リンケージのシャフトが挿入されるところにはオイルシールが打ち込まれていますので、劣化によりシール性が低下すると漏れが発生します。
最近多く見られる事例となっています。
シール交換はオイルを抜き、オイルパンを外しての作業となります。
オイルの量を見てみますとやや少ない状態でした。症状の原因として考えられるのは内部故障、およびオイル量不足、オイルの劣化が考えられます。
内部故障の場合はミッションAssy交換になることが多いです。まずは不足しているATオイルを変えてみることから進めていきます。
作業を進めていくとATオイルフィルターが外れていることがわかりました。これはオイルを吸う量が少なくなってしまうので症状の原因として考えられます。
ポルシェ996ターボのミッションはメルセデスベンツ製の物を使用しています。まれにこのフィルターが外れており不具合がある事例もありますので、まずはここから整える作業をオススメします。
ATオイルもエンジンオイルなどに比べると性質が特殊なことも有り、低走行でも交換はオススメです。今回はオイル等の交換後に試運転を行ったところショックが軽減され症状に改善が見られたため一度様子を確認を見ていただく運びとなりました。大きな故障を事前に防ぐためにも小さな箇所を治すのがロングライフの秘訣です。
エンジンの中心部分の非常に重要なパッキン、ヘッドガスケットから漏れていました。
交換にはエンジンを降ろし、シリンダーヘッドAssyを脱着して交換していきます。