もう熱い位の陽気になって来ました。私の苦手な季節は完全に過ぎました!!ただ、梅雨寒というのも有りますので、気は抜けません・・・・・・・。
さて今回は996カレラ カブリオレです。私が一番好きなカラーでスピードイエローの996です。5月の連休中にお出掛けした帰り道で事件は起きてしまったそうです。
高速道路を走行中に冷却水ランプが点灯、その後エンジンルームから水蒸気が立ち上った為、直ぐに路肩へ避難したそうです。エンジン下には地面に冷却水の水たまりが出来たのを見て、直ぐにレッカーを手配しご入庫となりました。
ご入庫後直ぐに車輌をリフトに乗せて点検を行います。まずは冷却水を入れてみると・・・・・・・・・・・。もう見ての通りといったところです。ウォーターポンプのプーリー軸が完全にガタついていまい、軸穴に隙間が発生したところから、景気良く冷却水が漏れてきました。即ポンプ交換を行い、冷却水経路に加圧テストを実施し、他に漏れが無いか確認をした後に修理完了となります。
幸いにも被害が少なく済んだのは、高速道路の渋滞が始まってから症状が発生した事でした。これがもし、いいスピードで走行中に発生していたら・・・・・・・・・・・。考えるとちょっと怖くなります。
ではまた次回です。
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さあ、ゴールデンウィーク突入です!皆さま、ポルシェのコンディションは整えましたでしょうか!?ポルシェを走らせるにはとてもいい季節です。是非楽しいドライブを!
さて今回は996 カレラです。しばらく走行すると必ず冷却水が減るという事で点検を行いました。冷却水経路の各所に漏れは有りません。加圧テストをしてももれの確認が取れません。外に出て来ないならエンジン内部になりますが、エンジンは決して不調でもなく、オイルとの混ざりも有りません。まあ、そんな状態で有ればもっと早く冷却水は減るはずです。悩みは深くなるばかり・・・・・・・・・。
再度、冷却経路を頭に描き思考します・・・・・・・・・・・・!!そういえば少し思い当たる節が・・・・・・・・。
確認の為に、スロットルバルブ横のブローバイホースを外してみると!なんとバターの様な物が大量に発生していました。
バターの正体はブローバイガスと水蒸気が混ざった固まりです。で、それを生成していたのがこちらのブローバイセパレーターでした。予感的中といった所です。
エンジン内部に発生するブローバイガスから出来るだけオイルとガスに分ける為、冷却水を利用してセパレーターの機能を上げています。取り外したと同時に冷却水が出て来るはずのない所から垂れてきましたので、間違いなく内部に漏れが発生している事が分かりましたので、分解をしてみました。
内部はバターでいっぱいでした。また、冷却水路にクラックが有るのも確認出来ました。
こちらはその裏側です。クラックから出て来る僅かな冷却水は高温のガスに当たり水蒸気となり、ガスの油分とくっつき、ブローバイガスと共にガスの経路を隅々まで流れて行きます。エンジンを停止して常温まで冷めると、留まった場所で固形となり付着します。それがバターの正体です。
セパレーター交換後は、経路を出来る限り清掃し組み付けをします。手の届かない所は、時間は掛りますが高温のブローバイガスによる自浄効果によりバターは無くなると思います。
勿論、ご返車後は症状が無くなりました。ゆっくりと冷却水が減少するようで有れば、マーキーズまでご相談下さい!
ではまた次回です。
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今年の桜シーズンは少々天気に恵まれなかった印象でした。今日の雨でかなりの花びらが落ちてしまいましたので、どうでしょうか、豪快な花吹雪がはたして見られるかが心配です。
さて今回は996カレラです。車検点検整備でご入庫頂きました。エンジンルームなどを見て行くと、整備はしっかりとされてきているのが分かる車輌です。今回の車検は定期交換部品や消耗品の交換で済むのではないかと予想しておりましたが、リフトアップをして下廻りの点検を始めていきますと・・・・・・・・・・・。
ハブキャリアー(ブレーキが付く土台になっている箇所)の裏にグリスが飛び散っていました!ドライブシャフトを中心に放射線状に飛び散っています。これはドライブシャフトブーツが破けている可能性が高いグリスの漏れかたです。
ドライブシャフトはミッションからの回転を足廻りのアーム類が走行中の段差や車体の傾きによりスイングしてもハブやホイールに回転を伝達しなければなりません。その為に自在に動ける箇所を設ける必要があります。それが等速ジョイントと呼ばれる部位になります。内部はスムーズな動きを求められる為に大量のグリスが封入されています。蛇腹状をしたブーツはジョイントの動きに合わせて都合の良い成形となります。ただ、時間の経過と共にゴムが硬化してくると、常時ねじられるような動きを要求される為に疲労し裂けてきます。主に谷の部分でパックリと裂けます。ときおり山の部分に穴が空く場合が有りますが、これは何かを巻き込んだか、引っ掛かったか、外傷によると推測されます。
この状態では車検は通りませんし、見ぬふりをして放っておきますといずれドライブシャフトの破損を招き、危険な状況を招き入れる事に繋がります。また、安くは無い部品ですので、まだこの状態で有ればブーツの交換で済み、後の大きな出費を抑える事にもなります。定期的なチェックが重要です!
ではまた次回です。
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桜、咲きましたね!!!!
さて今回は996です。車検点検整備でご入庫頂いたのですが、ミステリーな出来事が・・・・・・・。整備進行中に突然、エンジンルームから烽火が上がりました。まさに、時が止まったように、え???っといった感じです。
直ぐにイグニッションキーをオフにし、エンジンルームを覗き込むと配線がショートした時の臭いが立ち込めていました。煙の立った辺りはかなりの熱を出していたようでかなり熱くなっていました。鏡を使用して原因箇所を探っていくとやはり、配線がショートし、燃えていました。更にはっきりとさせる為に周辺部品を外して行きました。
画像中央の辺りが原因箇所と思われましたので、なんとなく予想が出来てはいましたが、なぜそうなったかが頭の中のパズルが合いません。
近づいてみると、予想通りソレノイドがショートしていました。これはポルシェエンジン機能の1つ「バリオカム」のソレノイドです。コントロールユニットからの信号を受け、カムシャフトタイミングを変化させる為の作動部品になります。
コントロールユニットからの信号は正常で有る事と、ソレノイド以外には被害は出ていない事がわかりましたので、ソレノイドを交換をすれば修理完了です。ただ、こちらは前期型のエンジンですので、タペットカバーを外さないと交換が出来ません。後期型はソレノイドが変更され引き抜く事が出来ます。
その後、色々と調べてみますと同じ様な事例が何件か見つかりました。取り外したソレノイドを観察してみると部品内部でショートが起きているようですので、部品本体の寿命がたまたま整備中に来たという事になります。不幸中の幸いの様な状況ですね。ただこの故障は今後増えて来ると予想出来ますので、タペットカバーのオイル漏れ修理をする場合はソレノイドを交換してしまった方が良いかも分かりません。
ではまた次回です。
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3月も半ばに差し掛かり、日中は暖かい日が増えてきましたね!もう少しでコートを脱いでもよくなりそうですね。
さて、引き続きの996カレラになります。下の画像はご存知の方も多いとは思いますが、冷却水のリザーブタンクになります。こんなにも変色してしまっており、ところどころヒビが確認できました。時期に冷却水漏れを起こすであろうと予測できましたので、この機会に交換です。樹脂製ですので新しいうちは柔軟性も手伝い、上下する水圧に対応できますが時間が経ち硬化が進むとヒビが発生し、いつかはそのヒビが耐えられなくなり穴が開きます。
こちらはオイル漏れが発生していたエンジンタペットカバーです。シーリングをし直す作業になります。三か所づつ穴がありますが、スパークプラグを脱着する穴になります。
タペットカバーの穴に刺さる樹脂製の筒でプラグホールチューブなどと言われます。筒に取り付けされるグリーンとレッドのOリングによりシールされ、スパークプラグをオイルから守ります。996の前期モデルのエンジンに取り付けされています。後期エンジンはカムハウジングの形が変更され、この筒が廃止されています。
プラグホールチューブを通り、スパークプラグをねじ込んで取り付けた後、イグニッションコイルを差し込んでいきます。
取り外したスパークプラグの碍子部分は消耗が見られましたので、交換をします。取り付けされていたのはベル社製でしたが、個人的にはボッシュ製をお勧めしたいです。あくまでも個人的意見ですよ!経験上ではボッシュの方が製品が安定していると思います。
あとはその他に交換をする部品も含め、全てを組み付け後にエンジンを車両に戻していきます。ようやく作業完了となります。
ではまた次回です。
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引き続きの996カレラでです。修理箇所が多い為にエンジンを降ろして作業効率を上げていきます。
エンジンブローバイガスのチェックバルブがオイル漏れを引き起こしていました。エンジンの下の方へジワジワとオイルを広げてしまいます。高温のガスが通るので傷みが激しい部位の一つです。
取付け位置はここです。対角位置にも同じようにチェックバルブが取付けされています。一定以上にガス圧が上がるとリリースをさせ、エンジン本体を守ります。
続きましてこちらはオイルプレッシャーセンサーのオイル漏れです。油圧センサーですね。タペットカバーとの取付け面にシールリングがあり、経年によりシール箇所からオイルが漏れていました。センサー内部の抵抗値を油圧により変化させてセンシングしています。
プレッシャーセンサーのシールリングはセンサー本体に取付けされ外す事が出来ません。また、センサー自体の故障が少なくはありませんので、オイル漏れしていれば本体ごと交換した方が不具合の予防にもなります。ちなみに、端子が2か所あり、それぞれに配線が接続されていますが、メーターの油圧計とエンジンコントロールユニットそれぞれからの配線になります。わざと分けているんです。
まだ作業は続きます・・・・・・・・・・・・。
ではまた次回です。
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2月も、もう終わりですね。3月になれば日増しに暖かさが戻り、私の苦手な季節ともしばらくは離れられます。楽しみです。
さて今回も996カレラになります。オイル漏れや冷却水漏れが各所でかなり進行している状況でしたので、エンジンを降ろしての作業となりました。その中にウォーターポンプ交換が含まれますのでご紹介です。下の画像でいくと、ベルトが掛かっている箇所の一番左下の位置になります。
こちらの画像はすでに取り外した状態になります。ベルトが掛かるプーリーの軸にガタが発生しており、そこから冷却水漏れがありましたので交換となります。
こちらは取り外した物と新品を並べたところです。部品中央のプロペラのようなフィンで冷却水を圧送します。下側の黄色いフィンになっているのが新品です。樹脂のタイプから金属へと変更され対策がなされています。樹脂は時間が経つと冷却液の浸食により崩れが早く、フィンが無くなると冷却水の流れも無くなりオーバーヒートを引き起こします。時折、金属も浸食によりフィンが無くなっているものも見ますが、樹脂よりは格段に長持ちです。
こちらは組み付けた状態になります。これでエンジン内部の冷却水を勢いよく流す準備が整いました。エンジンを冷却する上では必ず必要な重要部品です。
この他にも作業は続きますので、ご紹介していきます。
ではまた次回です。
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寒さが和らいで来ているのを感じますが、まだ風の冷たい日があります。この時期は体調管理が重要になりますね。
さて今回も996になります。車両は996カレラの前期型です。症状は冷却水を足しても足しても2~3回走行すると冷却水が不足になるというものでした。かといって、地面に水たまりが出来るような事は無く、リフトアップをしてエンジンを下から見ても、冷却ラインに加圧テストを実施しても冷却水漏れは見当たりません。エンジンのパワーダウンは少し感じますが調子が悪すぎるわけでもありませんでした。結果からになりますが、エンジンのシリンダーに僅かなクラックが入っていたのが原因であることが判明しました。それが下の画像です。アーチ状になっているのがシリンダー部分ですが、時計の11時位置のあたりをよく見るとヒビが入っているのがわかります。
もう少し寄った画像です。今度は12時ちょっと前のあたりなりますでしょうか。アーチ状の外側は通常ですと冷却水が満たされている部分、「ウォータージャケット」と呼ばれる個所です。シリンダー内側と外側が繋がったりヘッドガスケットの抜けが発生すると、水とオイルが混ざり合うのでオイルや冷却水が白濁したようになります。時には冷却水を噴き上げてしまう事もあります。こういった事が判断材料になる訳ですが、今回は全くそういった症状が見られなかった為に、判断に時間を要しました。
今度は横から見たところです。真ん中上部のあたりがそうです。こうしてみれば、全てのツジツマが合います。クラックの量が僅かである為にエンジンの不調までは出ていなかった訳です。
シリンダー壁を常時、温水で洗っているようなもの(おそらくは霧状)でしたので、油分が少ない状態の中、ピストンが上下運動を繰り返していた為に擦り傷が付いています。ここがまた面白いところですが、ある程度燃焼が出来るレベルを保っている状態であり、排気ガスとして蒸気を排出していたと思われました。排気ガス濃度を測定すると特徴的な数値が出ますので、判断基準の一つでもあります。
996の前期型はシリンダー壁が薄く、クラックが入りやすいエンジンでした。後年は改善され厚みが変更されています。私も数台の事例を見てきましたが、酷いものになるとクラックどころでなく、クッキーを割ったようにシリンダーが「やぶけている」状態のものがありました。予防策が無いのが困ったところです。
それではまた次回です。
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まだまだ冷える日が続いておりますが、マーキーズのメカはものともせずにポルシェ整備をガンガンとこなしています!
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さて今回は、車検整備でご入庫頂きました996カレラです。受付時にエンジンの振動が最近気になるなんて話が出ていましたので、その辺りも視野に入れての点検を進めていきます。996もデビューして十分に時間が経っていますので、あちこちに故障の種を抱えているのは否めません。
点検車両は毎年きちんと点検と整備を行ってきているので、距離の割にはコンディションはいい車体で有るのは走行テストでも感じられました。ですので、今回の車検は消耗品の交換程度で完了出来ると思われました。
車両をリフトアップをし、下廻り点検をしてみると、やはりコンディションはいい車両です。後はエンジンの振動が大きい理由探しをして行きますと!有りました。エンジンとボディーを繋いでいるマウント、「エンジンマウント」の劣化を発見しました。
こちらは、エンジンマウントを下から撮った画像です。ゴムマウント部に大きな亀裂が入っているのが分かるかと思います。これではエンジンの振動を滑らかに吸収する事は出来ません。ゴムマウントが完全に切れてしまっても、エンジンが落ちてしまう構造にはなっていませんが、エンジンをしっかりとマウント出来ていませんと、走りにも影響が出てきてしまいます。
整備としては、エンジンマウントを交換するだけですので難しい作業では有りませんが、交換後は劇的に車そのものが蘇ったような印象になります。なんとなくエンジンの振動が大きいなと感じたら、マウント交換をしてみては如何でしょうか。
ではまた次回です。
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昨年末に引っ越しをしたのですが、正月に実家へ行った帰りに酔いも手伝ってか、ついつい前の住まいへ向かおうとしてしまいました。10日程度経っていても、完全に意識が切り替わっていないものだと感じた一瞬でした。
さて今回は、車検整備でご入庫頂きました996カレラです。スピードイエローの車体がカッコいいですね。オーナー様は大変大事にされており、とても綺麗な車体です。スピードイエローは私が最も憧れるポルシェの色です。
点検を進めて行く中で気が付いた一例をご紹介です。画像は燃料タンクの入り口になります、給油口です。何の問題も無さそうではありますが、フューエルキャップの開閉具合などマーキーズではこういった所も点検を怠りません。
実際に外し、フューエルキャップを裏から見た状態です。奥側にシールが取り付けされており、ガソリンの蒸発を抑えたり溢れてこないようにしていますが、画像を良く見て頂きますと、ヒビ割れが発生しているのが分かると思います。モデルによってはこのシールのみ部品の供給が有りますが、今回はキャップごとの交換となりました。
経年によりゴムが硬化してヒビ割れとなります。このまま放置しますと砕けて無くなってしまいます。何度か耳にした事例では、ガソリンを満タンにした後の走行中に、いきなりリヤが滑ってドキッとしたなんて話を聞きました。これは給油口の口いっぱいまでガソリンを入れてしまい、走行中の揺れや膨張によりキャップから漏れ出たガソリンが車外に捨てられ、リヤタイヤがそれを踏んでしまう事で起きた事例でした。ほぼこの場合ではフューエルキャップのシールがヒビ割れしていました。満タンにした後は、なんだかいつもガソリンの臭いがするなと感じておりましたら、まずはこのキャップを見てみて下さい。簡単にチェック出来ます!
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