とうとうコートを脱ぎました。過ごし易い季節がやってきました!
さて今回は前回の続きとなります。987 ケイマンの冷却水漏れ修理です。冷却水ラインの加圧テストで実際に漏れてきたホースを外してみると差し込み部分に錆が発生している事が分かりました。この状況ですと漏れているホースに沿って付いている他のホースも気になりましたので一緒に外して確認したところやはり同様に錆が発生していました。
入荷した新品と比べると錆の具合がよくわかると思います。
錆びが発生している部分に寄ってみるとかなりの厚みをもって錆びていますので、発生してから時間がずいぶん経っている事も分かります。
また、漏れの確認が取れなかったホースの方が錆の状況に進行が見られた結果となりました。錆過ぎて逆に密閉度が上がっており、漏れてこなかったのかもしれません。
ホース挿入部分はアルミ製ですが、錆が発生しない訳ではありません。アルミの含有量によるものと思いますが、実際はこのように錆が発生します。
パナメーラのラジエターホース同様に今回の修理事例は今後増えて行く事が予測出来ますので、夏が始まる前にチェックしておきたい部分です。
ではまた次回です。
ポルシェの修理、車検整備はマリオットマーキーズへ!
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朝の寒さがどうにも心を折ると言いますか、風が吹こうものなら直ぐにでも暖かい場所へ避難してしまいたくなります。私にとっては手ごわい相手です「冬」。
さて今回はポルシェ996・997・986・987各モデルに共通して付いている冷却水リザーブタンクのエア抜きバルブについてになります。樹脂で出来ていますので劣化が進むと下の画像のように冷却水漏れが発生してくるのを多く見かけるようになって来ました。白い粉の様に付着しているのが乾いて結晶化した冷却液です。
エア抜きバルブをリザーブタンクから取り外したところです。手動でも弁を開閉出来るようにグリップが取り付けられています。
この様に二分割の構成で出来ています。キャップ側はラバーシートが取り付けられ、土台中央部分の穴を解放したり塞いだりをしています。冷間時は穴をせき止めていますが、暖気状態になると水圧により弁が開かれます。
土台側を裏返すとこの様な形をしています。リザーブタンクに取り付ける場合は中央と外側の溝にOリングが入り冷却水が外に漏れ出ない様にしたり、中央の経路と外側の経路を断絶しています。
キャップ側を更に分解します。5点の構成部品で構成されています。
グリップが倒れている時はキャップ中央のピストンはスプリングの力で付き出される状態になります。
グリップを立てると強制的にピストンは引かれキャップ側へと格納されます。この動きにより、土台中央の穴を開閉させます。先ほども書きましたが、暖気状態になると水圧がスプリングの力を上回りピストンはキャップ側へ押し戻されます。
作動と構成を中心にご紹介しました。重要な事はエアー抜きバルブに漏れが発生してくると最終的には冷却水を吹き上げる事へ繋がり、エンジンのオーバーヒートを引き起こす原因となり兼ねませんので、粉がふいている状態や冷却液が滲み出していたら早めに交換をお勧めしています。
ではまた次回です。
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寒さが和らいで来ているのを感じますが、まだ風の冷たい日があります。この時期は体調管理が重要になりますね。
さて今回も996になります。車両は996カレラの前期型です。症状は冷却水を足しても足しても2~3回走行すると冷却水が不足になるというものでした。かといって、地面に水たまりが出来るような事は無く、リフトアップをしてエンジンを下から見ても、冷却ラインに加圧テストを実施しても冷却水漏れは見当たりません。エンジンのパワーダウンは少し感じますが調子が悪すぎるわけでもありませんでした。結果からになりますが、エンジンのシリンダーに僅かなクラックが入っていたのが原因であることが判明しました。それが下の画像です。アーチ状になっているのがシリンダー部分ですが、時計の11時位置のあたりをよく見るとヒビが入っているのがわかります。
もう少し寄った画像です。今度は12時ちょっと前のあたりなりますでしょうか。アーチ状の外側は通常ですと冷却水が満たされている部分、「ウォータージャケット」と呼ばれる個所です。シリンダー内側と外側が繋がったりヘッドガスケットの抜けが発生すると、水とオイルが混ざり合うのでオイルや冷却水が白濁したようになります。時には冷却水を噴き上げてしまう事もあります。こういった事が判断材料になる訳ですが、今回は全くそういった症状が見られなかった為に、判断に時間を要しました。
今度は横から見たところです。真ん中上部のあたりがそうです。こうしてみれば、全てのツジツマが合います。クラックの量が僅かである為にエンジンの不調までは出ていなかった訳です。
シリンダー壁を常時、温水で洗っているようなもの(おそらくは霧状)でしたので、油分が少ない状態の中、ピストンが上下運動を繰り返していた為に擦り傷が付いています。ここがまた面白いところですが、ある程度燃焼が出来るレベルを保っている状態であり、排気ガスとして蒸気を排出していたと思われました。排気ガス濃度を測定すると特徴的な数値が出ますので、判断基準の一つでもあります。
996の前期型はシリンダー壁が薄く、クラックが入りやすいエンジンでした。後年は改善され厚みが変更されています。私も数台の事例を見てきましたが、酷いものになるとクラックどころでなく、クッキーを割ったようにシリンダーが「やぶけている」状態のものがありました。予防策が無いのが困ったところです。
それではまた次回です。
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ポルシェ996もデビューしてから、そろそろ20年を迎えようかというモデルですね。ただ、ポルシェが不思議なのは、未だどのモデルもバリバリ現役でいる事です!タフなんです。
今回はお客様からのリクエストも有り、ウォーターポンプの交換作業を行いました。最近、水温が高目な気がして夏が心配という事でした。冷却液の濃度やラジエター機能などにも左右されますが、まずは冷却水が循環しなければどうにもなりません。
車両年式からいっても、そろそろウォーターポンプの状態が気になります。しかし、外さないと確認も出来ません。そういった事をお打ち合わせした結果、安心する為にもポンプ交換をする事になりました。冷却水も新しくなりますので両得です。
作業途中で外すウォーターホースも同時に交換します。なかなか厳しい環境の中で機能していますので、さすがにくたびれて限界に近ずいていました。ここいらで引退をしてもらう事となります。
夏もポルシェが元気に走れるように、予防整備の一例をご紹介させて頂きました!
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ポルシェ整備 スタッフブログ
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