夕方から朝に掛けて、めっきり冷え込んできましたね。コートやマフラーをされている方も見受けられるようになりました。家に帰ると電気ストーブが引張り出されていましたので、いよいよだな~と思います。
さて今回は993カレラです。車検整備でご入庫頂きました。車輌の下廻り点検を開始して直ぐに目についたのがオートマミッションのオイル漏れです。アンダーカバーにもオイル染みが見られますので、漏れ量は多いと判断出来ます。
オートマミッション(ティプトロニックミッション)のオイルパンガスケットが劣化しているのに加え、ミッション横に設置されているオイルレベルゲージもかなり漏れが発生している状態でした。オイルパンにはアンダーコート(防錆剤)が塗布されており、茶色く固着していますが、金色のオイルパンが出ている箇所は、漏れたオイルがアンダーコートを溶かし流してしまった証拠でも有ります。
アンダーカバーをめくってみますと、かなりのオイル滲みが広がっている事が分かりました。そこに走行中のホコリや砂がオイルに付着し溜まっていました。これは時間が経っている事も推測出来ますので、オイル量が心配になります。現状ではまだオイル量はギリギリ足りているレベルでしたので、ミッションを傷めるまでには及んでいませんでした。これで有れば、オイル漏れ修理を行い、規定量のオイルを充填すれば問題は有りません。
上の画像で中央部にホースが接続されているのがオイルレベルゲージです。目視で量を確認する事が出来ます。このゲージは途中で変更がかかっていまして、刻んである目盛りに誤りがあり、正しいオイル量を測定出来ない時期が有りました。オイルは交換していてもゲージを交換されていない状態をたまに見かけますので、交換歴が無ければタイミングを見て取り換えてしまった方がいいです。ちなみに、旧タイプでオイルを調整すると少し入れ過ぎになりますが、足りない訳ではないので作動に支障は有りません。
ではまた次回です。
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最近、目が悪くなってきまして、とうとう人生初のメガネを購入する運びとなりました・・・・・・・・。調べてもらったところ「乱視」というやつらしいです。仮のメガネをかけたら、ま~~見える事、見える事~。そんな事が有りました。
では、改めまして今回は997 カレラになります。冷却水が漏れているとの事でご来店頂きました。走行後にも甘い感じの匂いがしてくるようです。早速、車輌をリフトアップし各所を点検して行きます。
冷却水系統を点検して行くとエンジンの左側に漏れ跡が見られました。更に原因を掴むために冷却水ラインに加圧テスターを繋ぎ、テストを行うとリザーブタンク下部から冷却水が漏れて来る事が判明しました。また、タンク上部の黒い部分にも漏れた跡がみられます。確定をさせる為にタンクを外してみると、気持ちしなっているように見えます。タンク本体も黒ずみ、劣化が進んでいる状況です。
原因はやはりタンクに有りました。劣化が進み、硬化したタンクの底にクラック(ヒビ)が入り、冷却水が漏れ出して来ていました。エンジンが冷えていると圧が掛らない為にほとんど出てきませんが、冷却水が温まり、圧力が上昇してくると、押し出されるよに冷却水が漏れてくる状況でした。
新品と並べると、どれだけ色に違いが有るか分かると思います。
996ではかなりの事例が出ていますが、とうとう997にも発生してきました。これから増えて行く事例になりますね。
ではまた次回です。
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肌寒くなってまいりました・・・・・・。また私の苦手な季節の足音が・・・・・・・・。
さて今回は997カレラ エンジン異音修理です。あの「タンタン音」になります。996では事例が多い症状でしたが最近では997も同様に異音が発生してきています。
何度かご紹介をしてきています、ピストン・シリンダーが原因で発生する例の異音です。ディーラーで相談をするとエンジン交換の見積りになりますが、マーキーズでは修理費用を抑えられるように独自の修理法をご提案させて頂いております。
これが異音原因となったシリンダー内部です。シリンダー壁にかなりの深い傷が入っています。
ピストンにもこんなに深い傷が・・・・・・。ピストンリングの辺りを支点として、ピストンが首振り状態になっているのが分かる減り方ですね。正しくはピストンピンの位置によるものですが、結果としてこの様に傷が入って行きます。
ピストンを抜いた後のシリンダーです。触るとかなりの深さで傷が付いています。これがどんどん広がって行き、ピストンとシリンダーのクリアランスも大きくなり、それに合わせて音も大きくなっていきます。
エンジンから異音が出ているから売却してしまうのは逆に損をしてしまうかもしれません。諦めるのはまだ早いです。その前に、お気軽にマーキーズへご相談下さい!
ではまた次回です。
ポルシェ 997 異音資料動画
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涼しさや肌寒さを感じるようになり、秋の装いも増してまいりました。空冷ポルシェにとっては本領発揮の季節ですので、ベストなコンディションでドライブを楽しんで頂きたいです。
さて今回は993 カレラSです。空冷ポルシェの最終になります。エンジンルームを覗くとまず目に飛び込んでくるのはアルミ製のインテークマニホールド「バリオラム」です。特徴は内部に各機筒分の筒が伸びたり格納されたりする機構を持ち、マニホールド内で吸入空気の通路を長くしたり、短くしたりしてインテーク経路を回転数に応じベストな状況を造ります。イメージとしては、ファンネルの長さをコントロールして全域でパワーを出しやすくしています。ただ、この画像は何かおかしい・・・・・・・・・。
近づいてみると、バリオラムの下に大きな穴がポッカリと開いています。
更に近づくと分かりやすいですね。これは、ファンシュラウド上部に取り付けされているエアーガイドです。993途中までは樹脂製のものが使用されていましたが、エンジン左側に取り付けされているヒーターブロワーモーターの形が変更になってからは柔軟性を持たせる為にラバー製になりました。これが経年により、硬化すると割れたり砕けてしまうと下の画像の様な状態になります。ブロワーモーターとの接続部にはフラップが付いておりモーターが回転するとフラップが開きます。エンジンを止めた後もファンモーターが回転しこもった熱を吸い上げて車外へと排出させます。このガイドが破けていると冷却性能が格段に落ちますので、非常に重要な部分でもあります。
そしてもう一箇所、気になった点は画像中央に細いチューブが刺さっているあたりです。チューブが刺さっていない方がやたら膨張して見えました。これはインテークマニホールドのバキュームライン接続部分になりますが、使用されていない側にゴムキャップが付いています。
そのゴムキャップをクルクルと回してみると、この様に裂けていました。現状ではエア吸いまでは起きていませんでしたが、そのうちに外れて落ちてしまいそうでしたので交換を行いました。
こうした細かい箇所のケアが後のトラブルを防ぎますので、専門的なお店での定期的な点検が重要になります。
ではまた次回です。
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何だか暑さが戻ってくる見たいですね。天気の良くない日が続いていましたので、個人的には嬉しいです。
さて今回は、996カレラです。エンジンのオイル漏れ修理や部品交換作業をする際に、度々取り外しを行うエキゾーストマニホールド。略して「エキマニ」や「EXマニ」等と表現されます。エンジンに直接取り付けされているマフラーの部分ですね。近年は作業を行う時に時折、頭を悩ませられる部位となっています。
エンジンとマフラーが接続される部分になりますが、黒くすすが付いているの箇所がエキゾーストポートです。その廻りに数箇所の取り付けボルト穴が有りますが、お分かりになりますか?穴が埋まってしまっています。
これは上の画像の右側になりますが、よ~く見ますと埋まっている穴とそうでない穴が有るのが分かると思います。穴が埋まってしまっているところ、これが悩みの種の正体です。エキマニを外す為に取り付けボルトを緩めるとスルッといった感じでボルトが折れて、ネジ穴に残ってしまうんです。これを取り除くのが容易では有りません。メインの作業よりもこの処理の方が時間を取られる事がほとんどです。また、1本や2本で有ればまだ分かりますが本数が多いともう大変です。
取り外されたボルトはこの様になります。エンジンはアルミ合金ですが、ボルトは鉄です。鉄は酸化が進行すると錆びを呼びます。アルミ合金も酸化が進むと粉の様な物が出て来るのですが、熱の膨張率が違う金属どうしが腐食しあうと溶け合うような状態になります。これが接着剤のようになりボルトが回らなくなるほど固着させてしまいます。
あの手この手でボルトを折らずに外す工夫をしても、アルミ製の金属と鉄錆は強力に腐食しあい、同一化したようになり、逆に折ってしまった方がリカバリーが楽なんて事も有りますが、やっぱり折れない事にこしたことは有りません!この悩みは・・・・・ずっと続きます・・・・・・。
ではまた次回です。
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なかなかすっきりしない天気が続いております。この辺りで快晴を見たいですね。
今回は996カレラの車検点検でご入庫頂きました車輌になります。良く整備されているのが分かる状態で、車輌のコンディションは全体的に悪くないのですが、何故か変なところが見逃されていました。受付時に気になる点は無いか聞いた時にエアコンの臭いは少し気になっていると言った程度でしたが、点検を進めて行くと驚きの状態を発見です。何故かこうなるまで交換をされなかったエアコンフィルターです。これは臭いの原因にもなります。
下側が新品になりますが、こうして並べてみますと汚れ具合がどれだけのものか分かると思います。外気を車内に導入する際、ホコリやゴミ、虫などの侵入を防いでくれるエアコンフィルター。非常に高性能なフィルターの為にフィルター類の中では少々高価な部類になります。交換後は臭いもかなりおさまり、風量も若干上がりました。相当な目詰まり状態でした。
その他、ロードテスト中に気になった点が有りました。エンジンの振動が大きく感じましたので整備をお勧めしたのがエンジンマウントの交換です。エンジン本体の振動というのはかなりのもので、車体全体を揺らします。それを緩和してくれているのがエンジンマウントになります。レーシングカーの様に緩和させる部分が無い車は常人にはとてもじゃないですが乗っていられません。
こちらがポルシェ996のエンジンマウントになります。基本的には993のものと同じです。これがまた、997、991へとモデルが進化して行くと共に、このマウントも進化をします。
続きは次の機会に。
ではまた来週です。
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非常に夏の終わりを感じます・・・・夜中がやたらに涼しくなってきました。また、私の苦手な季節へとカウントが始まったみたいで寂しい気分になります。ですので、秋を満喫する事を考えて紛らわしております・・・・・・。
さて今回は9PA、V8カイエンになります。チェックエンジンランプが点灯し、エンジンに振動も出ているとの事でご来店頂きました。早速、フロントフードを開けてエンジンを見てみると、時折「ブルン」といった感じの振れが確認出来ました。
ポルシェシステムテスターを使用しての診断を行い、状況を正しく把握します。まずは故障コードを読み取る事から始めていきます。インジケーターランプが点灯した原因がズバリと表示される訳では有りません。これらをヒントにシステムテスターの様々な機能を使用して原因を絞り込んでいく訳です。各センサーや装置の入力信号、実測値の読み取り、作動状態などを確認して行きます。
診断を進めて行きますと、1機筒だけ仕事をしていない状況で有る事が分かりました。個別に爆発状態を調べるとあからさまに爆発していない箇所が有りました。燃料の圧力もインジェクターの作動も全機筒正常で有る事は確認出来ていますので、残るは点火系かエンジン本体に問題が有る事になります。手始めに、不具合の出ているシリンダーと正常なシリンダーのダイレクトイグニッション(イグニッションコイル)を入れ替えて、再度チェックしましたが、状況は変わりません。今度はスパークプラグを入れ替えたところ、不具合が移りましたので、スパークプラグが原因で有る事が確定しました。
原因となったスパークプラグです。爆発していないので熱も入らない為にガソリンで湿っていました。
今回は、ダイレクトイグニッションをまだ小さいですがクラックが入り始めていましたので、予防整備としてスパークプラグと共に全数交換をしました。エンジンの不調は改善され、チェックエンジンランプも無事に消灯しました。
結果はただのスパークプラグ故障ですが、メカニックは原因を絞り込み、確定させる為に時間と労力を要します。これが「診断」です。
ではまた次回です。
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このあいだの台風は東京を直撃という事でかなりの大雨をもたらしました。どこも道路が川のようになっていましたね。そんな時に大事なのはタイヤです。
ポルシェ996に限らない話にはなりますが、雨の日に溝が無いタイヤで走行するのは危険度が比べられない程上がります。溝が無い、または少ないとタイヤと路面との間にある雨水を排水する事が困難になり、簡単に言いますと滑り易くなるのは周知の通りですね。特にポルシェ等のスポーツカーはスピードが出る車輌ですので、とても大事です。
また、溝は有っても経年により素材の硬化が始まると、この様にヒビ割れが発生します。こうなると極端に性能が落ち、グリップ力が低下します。これでは晴れていても雨の日に走るのと変わりなくなってしまいます。路面が乾いているからスピードを少し上げても大丈夫という意識になりがちですが、交差点や高速道でスピンしているのを見たり聞いたりしますが、大半はこういった事が原因になります。ネット上で安すぎる値段で販売されている物は、大抵の場合、製造してから年数が経っている事が主です。つまりは溝は有るけど硬化している可能性が大です。購入には気を付けて下さい。
そして更に硬化が進み走行を続けていると、今度はブロック状に崩れてきます。これはもう末期症状ですので危険なレベルになって来ます。即交換ですね。
タイヤメーカーや商品により素材が違いますので、見ために多少の違いは有りますが起こる症状はほぼ同じです。この様になったタイヤで雨の日に交差点を曲がる途中、マンホールが有り・・・・・・・などと考えると非常に寒い感覚に襲われます。
「走る、曲がる、止まる」事が心配無く出来る根源はタイヤであると言っても過言では有りません。定期的にプロの目でチェックをしてもらう事が大事になって来ます。スポーツカーは「活きのいい」タイヤで安全に走行する事が楽しむ秘訣でも有ります。
ちなみに、タイヤには製造年が分かるように表示がされていますので、気になる方はご来店頂いたついでにスタッフへ聞いて下さい。お教え致しますので!もちろん私にも聞いてくださいね!
ではまた次回です。
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皆さま、夏休みは如何お過ごしになられましたでしょうか。私は大好きな海へと行きまして、満喫してまいりました!まだまだ暑い日が続くと思いますので、お休みの日にもう一回だけ海に行こうと画策しております。
さて今回は986 ボクスターです。車検整備でご入庫頂きまして点検を進めて行きますと、エンジンからオイル漏れが発生している事が分かりました。車輌は全体的に良く整備されている状況でしたので、現状ではこのオイル漏れだけ直せば大丈夫です。
部位としては前回のブログでも触れました、バリオカム装置のソレノイドシールからオイル漏れが発生しています。これは986、987、996、997と共通する漏れ箇所となります。緑色をした部分がラバーリップとなってオイルが外に出て来ない様にしています。
ソレノイドは左右バンクに2個づつ取り付けされています(バリオカムプラス式)。バリオカム用とバリオカムプラス用で合計4個のソレノイドがいますので、ソレノイドシールも4個となります。
交換作業は難しい物ではありません。配線コネクターを抜き、ソレノイド固定用のステーを外せば、レモン型をしたアルミ製の枠と共にシールが外れてきます。取り付け部を綺麗に清掃して、グリスをリップに塗布後、組み付けをすれば完了です。放っておくと思ったよりも派手にオイル漏れが発生する箇所でもあるので、早めに修理を行う事をお薦めしています。
ではまた次回です。
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近くの公園で盆踊りの準備が進んでいるのを見ると、未だに心がウキウキとしてしまいます。今年も屋台で何を食べようか頭をよぎってしまいます・・・・・。
さて今回は996です。エンジン始動時、少しバラつく感じが有り、エンジンチェックランプも点灯するとの事で診断を行いました。エンジン本体からは特別な異音等は出ていませんので、システムテスターにて状況を調べて行きます。故障メモリーは特定のシリンダーに不具合が発生している事を示していましたので、そのシリンダーに的を絞り、重点的に情報を集めて行きました。状況からして「油圧タペット」の故障が考えられましたので、オーナー様にお知らせし、分解点検を行い増した。
こちらが油圧タペットです。エンジンは「バリオカムプラス」機構を持ったエンジンですので、インテーク側油圧タペットに特徴が有ります。
こちらは排気側のタペットです。特別な機構は無く、カムシャフトとの接触部分である上部はフラットなタイプです。
こちらがインテーク(吸入側)になります。真ん中の丸い部分と外側は独立して動きます。エンジンが高回転域になるとコントロールユニットからの指令により、機構部に油圧が掛り作動がロックされます。「バリオカム」はカムシャフトの角度を進角させる機構であり、「バリオカムプラス」はそれに加え、バルブのリフト量を増加させる機構です。高回転域のエンジンパワーを更に上げる機構になります。
さて、分解を行った結果、原因はやはりこの油圧タペットに有る事が判明しました。特定のシリンダーに付いていたタペットの動きが渋く、固着状態と言っていい状況になっていました。簡単に説明しますと、エンジンのバランスが崩れている状況になっていたと言えます。
油圧タペットは1つでも故障が有れば、全数交換が原則的です。新しいタペットを組み付けて症状は改善されているはずですが、時折では有りますがコンディションの崩れているシリンダーが復帰する(溜まった余計なカーボンやスラッジが燃やされる)までの間に、チェックエンジンが再点灯したりするケースが有ります。O2センサーがダメージを受けている場合も有りますので、組み上げてからの緊張が長いんです・・・・・・。
ではまた次回です。
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