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ポルシェ車検修理トピックス

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ポルシェ整備 987 ケイマン ティプトロミッション オイル漏れ修理 車検

ポルシェ車検整備でご入庫頂きました、ポルシェ 987 ケイマンです。画像はティプトロミッションを下から見たところになり、中央の黒い部分はオイルパンと言われるオイルの受け皿となる部分になります。その右側にフィンの付いた箇所がデファレンシャルが収まる位置となります。構造上、ミッション中央に位置する事が出来ない為、このようにオフセットされた箇所に位置します。

 

ミッションとデファレンシャルは仕切られ、別々のオイルが使用されます。今回はデファレンシャル(以下デフと書きます)オイルのフランジシャフトシール(デフサイドシールとも言います)からオイル漏れが発生していましたので、修理を行います。

 

かなりの漏れが発生している状況です。ドライブシャフトを接続するフランジシャフトは回転しますので、サイドシールが劣化によりシール性が失われてくるとオイルを外へ掻き出すように作用してしまい漏れが激しくなります。

 

フランジシャフトは直接デフに刺さります。オフセットして位置するデフになりますので、シャフトは左右で長さが異なり、また取り付け方も違いが有ります。下の画像はデフとは逆側のシャフトフランジでシャフト長が長くなりますので保持の強化の為に支えとなるベアリング付きのハウジングで固定されます。

 

デフオイルの容量は非常に少ないですので、漏れてしまうとすぐにデフを傷めてしまう可能性が高くなります。見つけ次第の修理をお勧めしています。

 

ではまた次回です。

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ポルシェ整備 993 カレラ 911 エンジンベルト交換

前回から引き続きとなります。

 

エンジンオイル漏れ修理を進めながら同時進行でベルトの交換を行っていきます。空冷エンジンのベルト交換は昔から2枚のプーリーにシムをかませて調整する方式です。多少の部品の形に違いが有っても基本的には変わりません。そして964と993は、ほぼやり方は同じです。

 

ベルトプーリーの中心軸はオルタネーターのシャフトです。奥のプーリーはポルシェエンジンの顔ともいわれるクーリングファンを回しています。奥のプーリーはファン中心部のベアリングに固定され、手前のプーリーとは回転を分けています。オルタネーターとクーリングファンはプーリーの大きさが違いますので、それぞれが適切な回転数で回っています。ちなみに手前のプーリーとベルトは2種類の設定が有り、トランスミッションの違いにより異なります。ティプトロミッションは電気負荷を増加させる為、マニュアルミッションより多く発電を必要とします。その為により多くオルタネーターを回転させる設定となっています。

 

時々、ベルトの設定を間違って取り付けされている車両を見かけますので、やはりポルシェは専門店で整備するのが無難です。間違った設定で組まれているとベルトの寿命を縮めてしまい切れてしまう事もしばしばです。

新旧のベルトが混ざっておりますが、部品構成はこのような感じです。

 

外したベルトを裏返してみると、かなりの劣化が見られます。

 

こちらはエアコンコンプレッサーを回しているエアコンベルトです。こちらもかなりの亀裂が見られました。ゴム製品ですので時間の経過と共に硬化も進みますので、切れて行くというよりは割れて行く感じでしょうか。

 

今回の整備で交換していなかったらと考えると、出かけた先で困ってしまう事態を招いてしまったかもしれません。エンジンフードを開ければ、ベルトの目視点検が出来ますので、是非見てみて下さい。ベルトに似たような亀裂が有れば交換時期を過ぎてしまっていますので、すぐに専門店で交換してもらいましょう。

ではまた次回です。

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ポルシェ整備 カイエン 957 92A 冷却水漏れ修理

8月に入りました。お盆まで忙しい日が続きます・・・・・・。

 

さて今回はカイエンです。走行中に冷却水ランプが点灯し、エンジンルームから蒸気が立ち上ってきたとの事で緊急入庫となりました。状況確認の為に冷却水を補充する事から始めますが、補充した途端に地面へ冷却水が垂れてきます。エンジンルームを見渡しても冷却水が漏れてくる箇所が見当たりません。再度、冷却水を注いで漏れ出てくる音を頼りに原因箇所を探っていきます。ある程度絞り込みが出来たところで、部品の取り外しを開始し、ようやく原因箇所を突き止めました。

やはりラインホースが抜けて・・・・・・・・・??

いや、パイプが抜けています・・・・・・・・。

 

ゴムホースの先端に短いパイプが付いているのがお分かりになりますでしょうか。本来はアルミ製のハウジングに刺さっていなければならない部品です。そのパイプにゴムホースを差し込むので、外れてはいけないパイプのはずが、水圧に負けて抜けたものと思われます。

 

原因箇所はエンジンの一番奥の位置になります。ここまで分解してようやく見えてくる場所です。抜けたパイプを付け直しても再発する恐れがある為、アルミハウジングごと新しくする事を選択し交換作業となりました。

 

画像手前にスターターモーターがいます。その先端を覆いかぶさるように横長のハウジングが有りますが、これが交換となる部品です。中は空洞となっており、冷却水の通路として各方面にバイパスをする役割をしています。

 

ハウジングの取り付けが完了し、抜けたパイプを取り除いたラインホースを接続します。

 

入荷したアルミハウジングを見てみますと、ホース接続パイプはネジが切ってある締め込みタイプへと変更されていました。これならば抜けてしまう事は有りません。改良型になっているという事は同じような事例がいくつもメーカーに報告されていると考えられます。ポルシェは沢山の国で販売されていますので、世界中から情報が集まってくる訳ですね。

マーキーズは13日~15日まで夏季休業となります。お知らせまで。

ではまた次回です。

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ポルシェ整備 993 カレラ 911 チェーンケースカバーオイル漏れ修理

玉の汗が止まりません。熱中症予防の為、水分補給をしっかりと行いながらの整備となります。

さて今回は993カレラです。車検でご入庫頂きまして、エンジンからオイル漏れが発生している事がわかりました。オーナー様は大変この車両を大事にされておりまして、点検や車検時に不良の有る箇所は修理をされています。今回の車検ではこのオイル漏れ箇所以外に修理をするところは有りません。とてもいい状態でコンディションを維持されています。漏れていたのは、タイミングチェーンが収まるチェーンケースカバーからです。

 

患部へ到達するまでには多くの部品を外す必要が有ります。左右のテールランプ、センターガーニッシュ、リヤバンパーまで外したのが画像の状態になります。ここから更に、リーンホースメント、マフラー遮熱板、マフラー本体と次々に取り外しを行っていきます。

 

患部に到達する時は、エンジンハンガーを外さなければならない為にエンジン本体は「宙ぶらりん状態」となり、下からジャッキなどで支える必要が出てきます。

 

チェーンケースカバーを外すと、タイミングチェーンとカムスプロケットが目の前に現れます。この状態になれば、バルブタイミング調整も可能となってきます。チェーンケースカバーのゴムパッキンを交換し、カバー外周のスタッドボルトにシールグロメットを取り付け、オイル漏れ修理を行います。

 

ビックバンパー、964、993と機構的には同じレイアウトですが、カムスプロケットの形の違いによりバルブタイミングを調整する手法にも違いが有ります。使用するスペシャルツールもそれぞれに設定されています。

ではまた次回です。

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ポルシェ整備 986 ボクスター 冷却水漏れ修理

夏は好きなんですが、汗っかきなので作業中は玉のような汗が落ちてきます。また、袖口で顔を何度も拭いてしまうので目の回りが真っ赤になり少し恥ずかしかったりもします。毎年恒例の事となっています。

さて今回は986ボクスターです。何度かご紹介している事例にはなりますが、今一度のご紹介となります。986ボクスターはリヤトランク内にエンジンオイルと冷却水の注入口が有ります。エンジンオイルはL字のパイプによりエンジン本体へと繋がり、冷却水は注入口自体がリザーブタンクとなっています。今回の車両はリヤトランクフードを開けた時にツーンと冷却水の臭いが鼻に飛び込んできました。トランクフード裏には水滴が沢山付着しており、リザーブタンク固定用のボルトは白い粉を噴いたような状況です。

エンジンオイルのディップスティックの隣で白い粉が付着しているのが固定用のボルトです。この位置でこの状況は相当に冷却水が蒸気となり蔓延している事が伺えます。エンジンオイルと冷却水のキャップの下は薄いプレートが付いていますので、原因を探る為に取り外します。

プレートを外して覗いてみますと、症状の原因が分かりました。これは冷却水ラインのエアー抜きバルブです。何度かご紹介していますのでもうご承知の方も多いかと思います。白い粉は冷却液が乾燥して固形化したものになります。今回は液漏れというよりは蒸気として外に染み出してきている状況でした。いずれは液体が漏れだしてくるはずですので、見つけ次第の対処が必要です。

エアー抜きバルブを交換すれば症状はおさまりますが、リザーブタンク本体を見るとクラックに発展するであろう怪しい箇所が何か所か見られましたので、今回はリザーブタンク本体を交換する事になりました。986ボクスターはエンジンルームへと走る冷却水ラインホースが寸法ギリギリになっていますので、リザーブタンク交換は簡単では有りません・・・・・。

ではまた次回です。

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ポルシェ整備 996 カレラ エアコン修理

大好きな季節がやってきました。今年も暑い夏になると思いますので、海に行く回数が増えそうです。

さて今回はポルシェ996カレラです。エアコンが効かないという事でご来店されました。点検を進めていくとエアコンガス量が少なくなっている状況でしたので、ガス漏れ箇所のチェックを行っていきます。

 

隠れて見えないエアコン装置の配管を確認する為にフロントバンパーを外します。両角にある黒いエアーガイドを外したところが下の画像です。四角い装置が並んでおり、手前がエアコンコンデンサーで奥が冷却水のラジエターです。ラジエターの裏には電動ファンが付いています。エアコン用のラジエターをコンデンサーと呼んでいます。

 

逆サイドも同じレイアウトで設置されています。走行風でも冷却していますので、エアーガイドを被せて冷却効率を上げるのですが、小石などが飛び込んでしまいコンデンサーとラジエターを痛めるケースが良くあります。走行している最中ですから、衝撃はかなりの物です。当たりどころが悪いと穴が開き、ガス漏れや冷却水漏れを引き起こしてしまう事も有ります。

フロントガラスの下の辺りにもエアコンの配管や主要装置が配置されています。ガス漏れは幾つかの場所から少しづつ発生しているようですので、部品を何点か交換する運びとなりました。

 

配管に腐食が見られたり、それぞれの繋ぎ目で少しづつガスが抜けていました。下の画像中央にあるレシーバータンクからの漏れが量的には最も多い箇所でした。レシーバー&ドライヤーとも呼ばれ、エアコンシステムのフィルターとしての役割を担っています。

 

エアコンの効きが悪く、出かけても楽しさ半減等とならないように、エアコン不調はまず、マーキーズにご相談下さい。

ではまた次回です。

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ポルシェ整備 996T 911ターボ フューエルフラップロック不動修理

汗はかいてしまいますが、好きな季節がやってきました。今年は梅雨が遅れているのか雨が少ないですね。それともこれからなのか・・・・。いずれにせよ梅雨が明ければ本番ですので楽しみです。

さて今回は996T 996のターボになります。フューエルフラップ(燃料給油口の蓋)がドアロックを掛けても開いてしまうとの事で診断をしていきますと、ロック用のプッシュロッドが飛び出して来ない事を確認しました。しかし、システムテスターを使用して作動チェックを行うと作動音は聞こえてきます。状況確認をるのにフラップロックソレノイドを外す事にしました。

ソレノイドは、チャコールキャニスターの奥に位置しますので、キャニスターの脱着が必要となります。

ソレノイドを外してみると一目瞭然でした。ロッドの付け根が破損し外れてしまっている状況でした。修復も厳しい状態ですので、ソレノイドを交換する事になりました。

フューエルフラップにロックが掛からないとガソリンの盗まれ放題になってしまいます。(今どきガソリンを盗む輩がいるのかは何ともでは有りますが・・・・。)不安を引きずるよりは、高額な部品では有りませんのでしっかりと直してしまうほうがお薦めです。

ではまた次回です。

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ポルシェ整備 986 ボクスター エンジンストール修理

少し間が空いてしまいまして、すいませんでした。

今回の車両は986ボクスターです。ゴールデンウィーク中にお出かけ先でエンジンが走行途中に止まってしまい再始動出来ないとご入庫頂いた車両になります。レッカーで運ばれてきたのですが、当社に到着した時には何も無かったようにエンジンは掛かる状態でした。システムテスターで故障コードの読み取りをしても、実測値を確認しても原因に直結するデーターが得られず、何日か様子を見ても一向に止まる気配は有りません。
このままご返車をしても不安だけが残るので状況を総合的に分析し、フューエルポンプの不具合が考えられた為に交換をお勧めしました。ポンプ交換後もストールする様子もないのでご返車をしたのですが、数日経ち症状が出たとの連絡が入り、再入庫となりました。しかし、やはり当社に到着した時はエンジンが素直に掛かる状況でした・・・・・。

今回は持久戦の構えで臨みます。とにかく症状が出るまで待ち、その時のデーターを取る事で原因を特定する作戦です。その後、数日を要しましたが症状の再現が出来ましたのでエンジンが掛からないうちに各実測値を確認していくと、レファレンスマークセンサー(クランクシグナルセンサー)の信号が出ていない事が確認出来ました。上の画像位置に取り付けされており、フライホイールやドライブプレート外周のギザギザをピックアップ信号としてエンジンコントロールユニットに送ります。簡単に言いますと、ピックアップ信号が発生している時は「エンジンが回転している」とユニットに知らせる事で燃料の噴射と点火を作動させます。逆にピックアップが入ってこなければ「エンジンは止まっている」とユニットは認識し、燃料及び点火の作動を止めます。これが走行中に起きてエンジンストールの原因となりました。

レファレンスマークセンサー故障は少なくない事例にはなりますが、今回のように症状が直ってしまったり、出ていなかったり、頻度があまりにも少ないような状況での診断と判断は難しいものです。ポルシェ修理は未だ奥が深く、情報だけでは直せない場合も多くあります。まだまだ修行あるのみですね。

ではまた次回です。

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ポルシェ整備 996ターボ 911T 996T エンジン排気漏れ修理

ゴールデンウィーク真っ最中ですね!ポルシェでお出かけされているオーナー様も多いかと思います。楽しんだ後はしっかりメンテナンスをポルシェにしてあげて下さいね!

 

さて今回は996ターボになります。乗っていてやたらうるさく、また不快な振動のようなものがボディーに伝わってくるとの事で診断を進めていきますとエキゾーストマニホールド(エキマニ)の辺りから排気漏れしている音が聞こえてくるのですが、見た感じはそれらしい箇所が見当たりません。

排気ガスの臭いもかなり感じますので確かに排気漏れしているはずと、鏡などを使用し隅々まで確認をいていくとようやく見つけました。エキマニパイプ集合部の上側に大きなクラックが入っていました。

 

それがこのクラックになります。

 

溶接接合部分が剥がれている感じです。

 

溶接をし直して修理も考えましたが、長持ちしないかもしれない事と社外品も同様と考え純正エキマニをお勧めしたところ、これはオーナー様も同じ考えでしたので話は即決定となりました。入荷したエキマニを並べてみるとかなりの対策がなされ、より丈夫に作成されている事が分かりました。

 

よく見ると等長もより正確に取られているのも分かります。より丈夫に、より性能が向上された部品がデリバリーされているという事になります。(新しい車両のデーターが逆にこういったところにフィードバックされているんです)

 

ではまた次回です。

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ポルシェ整備 カイエン 9PA 955 カルダンシャフト

夜の寒さも和らいできました。ポルシェにとってはベストな季節となっていますので、しっかりとメンテナンスをしてポルシェを楽しんで頂きたいと思っています。

さて本題です。未だに9PA、955型カイエンの定番として修理が絶えないカルダンシャフトになります。経験された方は勿論お分かりかと思いますが、あの音は本当に驚きますよね!

 

この状態でシャフトが暴れるように回転するのですから、想像も出来るかと思います。音だけでなく、車体に振動として「ゴトゴト」と響きますので、直観的に「壊れた」という意識が芽生え、走行をためらってしまいます。面白いのは、低速では音も振動も出ない事が多い点です。ある程度の速度に達すると突然に音と振動が発生しますのでこれが恐怖を倍増させます。

 

近づいて撮影してみますと、捥がれるように切れています。

 

こちらもかなりの状態です。

 

また、カルダンシャフトの両端には厚みの有るこんなに大きなフランジゴムと接続されますが、ヒビ割れが発生するほどの(劣化や硬化が進んでいるとも考えられますが)力が掛かっている訳ですから、シャフト途中のゴムが捥がれても不思議は有りません。

 

突然に発生する事が多く、防ぎようが無い故障と言えますが、定期的に点検を行う事で早期発見が出来る事も有ります。こういった意味でもポルシェの整備は事例を熟知している専門店に任せる事がトラブルを防ぐ最大の予防となります。

 

ではまた次回です。

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  • ■古物商許可番号
    307739702610
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