今週はゴールデンウィーク明けで大忙しのマーキーズです。
今回は987 ケイマンのご紹介です。ご入庫頂いた車輌は部分部分にラッピングが施しておりまして、締まった感じのイメージで「いいな~」と思わせるお車です!
エンジンからオイルが漏れているとのご依頼でご入庫頂きました。リフトアップを行い診断を行うと、進行方向右側のヘッドカバーからオイル漏れが発生しているのが分かりました。下の画像はエンジン上部のサービスカバーを外したところです。ギュウギュウですね。
作業を進め、ヘッドカバーを外したところです。エンジン内部を見て、メカもビックリの綺麗さです。オーナー様は大変この車輌を大事にされており、オイルメンテナンスをしっかりされているのが良く分かる瞬間でもあります。ご入庫時の受付でもポルシェの話で大変盛り上がり、このケイマンを大事に乗って行きたいという気持ちが伝わって来ました。
外したヘッドカバーを洗浄して、新旧の交換部品を並べた画像です。通常は僅かでもオイルの茶色いシミが残ってもおかしくないのですが、この通りヘッドカバーの裏はとても綺麗です。オイルも常に新しい物がいい訳では有りませんが、定期的に交換を行って行く事でエンジン内部をこの様に綺麗な状態で維持する事が出来ます。これは故障を予防する事にも繋がります。オーナー様もそれを意識してメンテナンスをされているようです。
診断をしている時に気が付いたのが冷却水漏れでした。ポタポタと垂れる程では無いのですが、滲みが進行しているようでしたので、こちらを合わせてお知らせしたところ、即答で修理のご依頼を頂きました。滲んでいたのはウォーターポンプです。下の画像は取り外したところですが、やはり綺麗な状態を保っていました。
こちらはその横に位置するサーモスタットが取り付けられる部分です。この辺りにも水垢のような物が沈殿していたり、冷却水のシミが強く残っていてもおかしくはないのですが、冷却水も定期的に交換されているのか?と思わせる程です。
オーナー様がいかに大事にされて乗っておられるかが分かるポルシェでした。我々も大事に大事に整備を行いました!次回のご入庫もお待ち致しております!
ではまた次回です。
ポルシェの修理、車検整備はマリオットマーキーズへ!
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tel:03-5600-2710
さあ、ゴールデンウィーク突入です!皆さま、ポルシェのコンディションは整えましたでしょうか!?ポルシェを走らせるにはとてもいい季節です。是非楽しいドライブを!
さて今回は996 カレラです。しばらく走行すると必ず冷却水が減るという事で点検を行いました。冷却水経路の各所に漏れは有りません。加圧テストをしてももれの確認が取れません。外に出て来ないならエンジン内部になりますが、エンジンは決して不調でもなく、オイルとの混ざりも有りません。まあ、そんな状態で有ればもっと早く冷却水は減るはずです。悩みは深くなるばかり・・・・・・・・・。
再度、冷却経路を頭に描き思考します・・・・・・・・・・・・!!そういえば少し思い当たる節が・・・・・・・・。
確認の為に、スロットルバルブ横のブローバイホースを外してみると!なんとバターの様な物が大量に発生していました。
バターの正体はブローバイガスと水蒸気が混ざった固まりです。で、それを生成していたのがこちらのブローバイセパレーターでした。予感的中といった所です。
エンジン内部に発生するブローバイガスから出来るだけオイルとガスに分ける為、冷却水を利用してセパレーターの機能を上げています。取り外したと同時に冷却水が出て来るはずのない所から垂れてきましたので、間違いなく内部に漏れが発生している事が分かりましたので、分解をしてみました。
内部はバターでいっぱいでした。また、冷却水路にクラックが有るのも確認出来ました。
こちらはその裏側です。クラックから出て来る僅かな冷却水は高温のガスに当たり水蒸気となり、ガスの油分とくっつき、ブローバイガスと共にガスの経路を隅々まで流れて行きます。エンジンを停止して常温まで冷めると、留まった場所で固形となり付着します。それがバターの正体です。
セパレーター交換後は、経路を出来る限り清掃し組み付けをします。手の届かない所は、時間は掛りますが高温のブローバイガスによる自浄効果によりバターは無くなると思います。
勿論、ご返車後は症状が無くなりました。ゆっくりと冷却水が減少するようで有れば、マーキーズまでご相談下さい!
ではまた次回です。
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暖かくなってまいりましたね!ようやくコートを脱ぎました。これから、いい季節になりますね!!
今回はカイエンです。走行中に「ギギギ」「ガキガキ」と下廻りから異音が出るとの事でご入庫頂きました。走行テストを行うと確かに症状が出ています。リフトアップを行い、まずは目視点検。何か外れていないか、干渉が無いか症状が出ている時をイメージしながら点検をして行きます。見る限りでは問題箇所は見当たりません。そこで、走行状態を作っての点検を実施します。リフトアップしながら、ギヤを入れホイールを回転させたり、ブレーキングを再現したりしてみますと、かなり大きな音が聞こえてきました。音の出所を探っていきますと、駆動を前後に振り分けるトランスファーの内部から聞こえて来る事が判明しました。
音の感じからして、トランスファーを分解して修理するよりもアッセンブリ―で交換してしまった方が修理時間が短くその後のメリットも高いと考え、載せ換えを判断しました。トランスファーが外された状態が下の画像です。
こちらはトランスミッションの最後部になります。ここにトランスファーが接続され、右側のシャフトで前輪方向へ駆動を伝え、後方へはカルダンシャフトにて駆動を伝達します。
取り外されたトランスファーです。こちらを見て頂ければ、前後に振り分けるイメージがつくかと思います。
トランスファー内部には、左右の駆動伝達をさせる時と同様にデファレンシャルが搭載されています。そのデファレンシャルの機能をコントロールしているのが、画像中央にあるロッキングモーターです。今回の症状はこのモーターが作動した時に出ていましたので、内部デファレンシャルが破損しているか、ギヤ関連に損傷が有るのか想像出来ました。また、破損した部品が内部に傷や損傷を広げていると考え、アッセンブリ―の交換を判断しました。
人間と一緒です。体に異変が出たら医者に行くと直りも早いですが、放っておくと他も悪くなってきます。異変に気づいたら、マーキーズに直ぐ見せに来て下さい。走行不能になってからでは遅いですよ!
ではまた次回です。
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今年の桜シーズンは少々天気に恵まれなかった印象でした。今日の雨でかなりの花びらが落ちてしまいましたので、どうでしょうか、豪快な花吹雪がはたして見られるかが心配です。
さて今回は996カレラです。車検点検整備でご入庫頂きました。エンジンルームなどを見て行くと、整備はしっかりとされてきているのが分かる車輌です。今回の車検は定期交換部品や消耗品の交換で済むのではないかと予想しておりましたが、リフトアップをして下廻りの点検を始めていきますと・・・・・・・・・・・。
ハブキャリアー(ブレーキが付く土台になっている箇所)の裏にグリスが飛び散っていました!ドライブシャフトを中心に放射線状に飛び散っています。これはドライブシャフトブーツが破けている可能性が高いグリスの漏れかたです。
ドライブシャフトはミッションからの回転を足廻りのアーム類が走行中の段差や車体の傾きによりスイングしてもハブやホイールに回転を伝達しなければなりません。その為に自在に動ける箇所を設ける必要があります。それが等速ジョイントと呼ばれる部位になります。内部はスムーズな動きを求められる為に大量のグリスが封入されています。蛇腹状をしたブーツはジョイントの動きに合わせて都合の良い成形となります。ただ、時間の経過と共にゴムが硬化してくると、常時ねじられるような動きを要求される為に疲労し裂けてきます。主に谷の部分でパックリと裂けます。ときおり山の部分に穴が空く場合が有りますが、これは何かを巻き込んだか、引っ掛かったか、外傷によると推測されます。
この状態では車検は通りませんし、見ぬふりをして放っておきますといずれドライブシャフトの破損を招き、危険な状況を招き入れる事に繋がります。また、安くは無い部品ですので、まだこの状態で有ればブーツの交換で済み、後の大きな出費を抑える事にもなります。定期的なチェックが重要です!
ではまた次回です。
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桜、咲きましたね!!!!
さて今回は996です。車検点検整備でご入庫頂いたのですが、ミステリーな出来事が・・・・・・・。整備進行中に突然、エンジンルームから烽火が上がりました。まさに、時が止まったように、え???っといった感じです。
直ぐにイグニッションキーをオフにし、エンジンルームを覗き込むと配線がショートした時の臭いが立ち込めていました。煙の立った辺りはかなりの熱を出していたようでかなり熱くなっていました。鏡を使用して原因箇所を探っていくとやはり、配線がショートし、燃えていました。更にはっきりとさせる為に周辺部品を外して行きました。
画像中央の辺りが原因箇所と思われましたので、なんとなく予想が出来てはいましたが、なぜそうなったかが頭の中のパズルが合いません。
近づいてみると、予想通りソレノイドがショートしていました。これはポルシェエンジン機能の1つ「バリオカム」のソレノイドです。コントロールユニットからの信号を受け、カムシャフトタイミングを変化させる為の作動部品になります。
コントロールユニットからの信号は正常で有る事と、ソレノイド以外には被害は出ていない事がわかりましたので、ソレノイドを交換をすれば修理完了です。ただ、こちらは前期型のエンジンですので、タペットカバーを外さないと交換が出来ません。後期型はソレノイドが変更され引き抜く事が出来ます。
その後、色々と調べてみますと同じ様な事例が何件か見つかりました。取り外したソレノイドを観察してみると部品内部でショートが起きているようですので、部品本体の寿命がたまたま整備中に来たという事になります。不幸中の幸いの様な状況ですね。ただこの故障は今後増えて来ると予想出来ますので、タペットカバーのオイル漏れ修理をする場合はソレノイドを交換してしまった方が良いかも分かりません。
ではまた次回です。
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さあ、いよいよ桜が咲きますよ!!
前回に引き続きカイエンです。車両はV8ターボ車になります。連休中に出かけた先の山中で道に迷ってしまい、誤って下った坂でかなり下廻りをぶつけてしまったそうです。その後ハンドル位置がズレてしまいメーターにはPSMのインジケーターが点灯してしまったとの事でご入庫頂きました。早速、車両をリフトアップして点検を行いますと車両前方から後方までメンバーやアーム類を数多くぶつけてしまっている事がわかりました。
こちらは右リヤアームの付け根になります。偏心したボルトが付いている箇所ですのでアライメント調整箇所になります。
これはミッション下のクロスメンバーです。かなりぶつけていますが、ミッションには損傷はありませんでした。
続いてはフロント側に移ります。部位は左前方です。サイドメンバーとスタビライザーを激しくヒットしています。かなりの衝撃があったと推測できます。
エンジンとミッション下のアンダーカバーもやはり激しくヒットした痕跡が・・・・・・・・・・・・・。
左前方のアーム付け根にもヒットした跡がありました。右後ろ同様に偏心ボルトが付いている箇所です。よく見るとわずかにアームをねじる方向に傾いてしまっていました。右後ろも同じように曲がっていましたのでハンドル位置がズレた原因はここにあります。ハンドルのセンター位置をPSMコントロールユニットはモニターしていますので、直進しているのにハンドル軸がズレているためにセンサーの故障と認識し、インジケーターを点灯させていました。
車両の重要なシャーシーの一部であるメンバー類と損傷しているアームは交換を行い、アライメント調整とハンドル位置のキャリブレーションを実施して、全ての症状は改善されました。
ではまた次回です。
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そろそろ桜も咲きますね。毎年、隅田川を浅草あたりからゆっくり歩いて、夜桜を見るのが楽しみなんです。
さて今回はカイエンです。まだまだ見かける事例になりますが、V8エンジンの冷却水漏れです。Vバンクに有る冷却水のラインパイプから突然「ジャブジャブ」と冷却水が出てきてしまう、非常に困る症状です。原因のパイプまでアクセスするのは中々簡単ではありません。沢山の補器類を外してようやく辿り付き、取り外した部品が下の画像です。
新車時は樹脂で出来たものが使用されていましたが、現在供給される部品はアルミ製となり、対策がされています。
こちらが原因の部品です。ぼっきり折れています。樹脂が硬化してしまい、しなやかさが無くなるとこのように折れたり、砕けたりしてしまいます。アルミの対策品にも「逃がし」の為に一部にゴムホースを使用します。
こちらは原因箇所の部品を外す前になります。
で、これが対策品を組み込み始めた状態。
全て組み込むとこうなります。なんだか見た目もいいですよね!ただこれ、補器類を付けて元の状態に戻すと、な~んにも見えなくなっちゃうんですけどね!もったいない・・・・・。
ポルシェメカの悦の時間は短く、はかないものなり・・・・・・・・・・・・・・。
ではまた次回です。
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3月も半ばに差し掛かり、日中は暖かい日が増えてきましたね!もう少しでコートを脱いでもよくなりそうですね。
さて、引き続きの996カレラになります。下の画像はご存知の方も多いとは思いますが、冷却水のリザーブタンクになります。こんなにも変色してしまっており、ところどころヒビが確認できました。時期に冷却水漏れを起こすであろうと予測できましたので、この機会に交換です。樹脂製ですので新しいうちは柔軟性も手伝い、上下する水圧に対応できますが時間が経ち硬化が進むとヒビが発生し、いつかはそのヒビが耐えられなくなり穴が開きます。
こちらはオイル漏れが発生していたエンジンタペットカバーです。シーリングをし直す作業になります。三か所づつ穴がありますが、スパークプラグを脱着する穴になります。
タペットカバーの穴に刺さる樹脂製の筒でプラグホールチューブなどと言われます。筒に取り付けされるグリーンとレッドのOリングによりシールされ、スパークプラグをオイルから守ります。996の前期モデルのエンジンに取り付けされています。後期エンジンはカムハウジングの形が変更され、この筒が廃止されています。
プラグホールチューブを通り、スパークプラグをねじ込んで取り付けた後、イグニッションコイルを差し込んでいきます。
取り外したスパークプラグの碍子部分は消耗が見られましたので、交換をします。取り付けされていたのはベル社製でしたが、個人的にはボッシュ製をお勧めしたいです。あくまでも個人的意見ですよ!経験上ではボッシュの方が製品が安定していると思います。
あとはその他に交換をする部品も含め、全てを組み付け後にエンジンを車両に戻していきます。ようやく作業完了となります。
ではまた次回です。
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引き続きの996カレラでです。修理箇所が多い為にエンジンを降ろして作業効率を上げていきます。
エンジンブローバイガスのチェックバルブがオイル漏れを引き起こしていました。エンジンの下の方へジワジワとオイルを広げてしまいます。高温のガスが通るので傷みが激しい部位の一つです。
取付け位置はここです。対角位置にも同じようにチェックバルブが取付けされています。一定以上にガス圧が上がるとリリースをさせ、エンジン本体を守ります。
続きましてこちらはオイルプレッシャーセンサーのオイル漏れです。油圧センサーですね。タペットカバーとの取付け面にシールリングがあり、経年によりシール箇所からオイルが漏れていました。センサー内部の抵抗値を油圧により変化させてセンシングしています。
プレッシャーセンサーのシールリングはセンサー本体に取付けされ外す事が出来ません。また、センサー自体の故障が少なくはありませんので、オイル漏れしていれば本体ごと交換した方が不具合の予防にもなります。ちなみに、端子が2か所あり、それぞれに配線が接続されていますが、メーターの油圧計とエンジンコントロールユニットそれぞれからの配線になります。わざと分けているんです。
まだ作業は続きます・・・・・・・・・・・・。
ではまた次回です。
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2月も、もう終わりですね。3月になれば日増しに暖かさが戻り、私の苦手な季節ともしばらくは離れられます。楽しみです。
さて今回も996カレラになります。オイル漏れや冷却水漏れが各所でかなり進行している状況でしたので、エンジンを降ろしての作業となりました。その中にウォーターポンプ交換が含まれますのでご紹介です。下の画像でいくと、ベルトが掛かっている箇所の一番左下の位置になります。
こちらの画像はすでに取り外した状態になります。ベルトが掛かるプーリーの軸にガタが発生しており、そこから冷却水漏れがありましたので交換となります。
こちらは取り外した物と新品を並べたところです。部品中央のプロペラのようなフィンで冷却水を圧送します。下側の黄色いフィンになっているのが新品です。樹脂のタイプから金属へと変更され対策がなされています。樹脂は時間が経つと冷却液の浸食により崩れが早く、フィンが無くなると冷却水の流れも無くなりオーバーヒートを引き起こします。時折、金属も浸食によりフィンが無くなっているものも見ますが、樹脂よりは格段に長持ちです。
こちらは組み付けた状態になります。これでエンジン内部の冷却水を勢いよく流す準備が整いました。エンジンを冷却する上では必ず必要な重要部品です。
この他にも作業は続きますので、ご紹介していきます。
ではまた次回です。
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