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ポルシェ整備 987 ケイマン エンジンオイル漏れ修理

車検整備でご入庫頂きました、ポルシェ 987 ケイマンです。ポルシェラインナップに登場してもう10年が経過しようとしています。バリエーションも増え続け、個人的にも良いな~と思う魅力的なモデルの一つです。

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点検を進めて行きますと、エンジンからオイル漏れが有るの事が分かりました。エンジン本体の一番外側に成ります、タペットカバーからの漏れです。バルブカバーやカムカバー、ヘッドカバーなんて呼ばれる事も有ります。これは986、911にも共通するオイル漏れ箇所です。水冷フラット6エンジンになってからは、ゴムパッキンが廃止され液体ガスケットを塗り、張り合わせる方法に成りました。液体ガスケットは時間が経過するとゴムのように固まります。タペットカバー自体がカムシャフトを抑える箇所が有りますので、ゴムパッキンを挟んでしまうとクリアランスが出来てしまい意味が有りません。今までは通常、カムシャフトは4箇所程度でしょうか、カムを抑える為の部品が有りました。カムキャップなんて呼びます。恐らくは部品点数削減による軽量化が目的と思いますが現在はこの様な方法になっています。

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下の画像も同じくオイル漏れですが、まるでカバーの取り付けボルトから漏れているように見えますが、良く見て見ると河が流れたような痕跡が有りますね。これは上の方からオイルが流れ落ちて来ている証拠です。この漏れの原因は上側のボルト穴からでした。ボルトを抜いて穴にシール剤を入れればいいのではと考えがちですが、ほとんどそれでは漏れは止められません。ボルト穴を完全に脱脂出来ないのがその理由です。脱脂が出来ていなければ油分がオイルを通す通路を確保してしまうからです。やはりカバーを外して綺麗に洗浄してシール剤を塗り直さないといけません。

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たいした事が無い漏れと思われがちですが、滴になったオイルは走行風で飛ばされるのでこの程度に見えるだけです。周辺にはオイルが飛んだ跡が非常に目につきます。マフラーにも飛んでいるので煙や臭いが出ていたはずです。このまま放置して漏れが増加し、割と近い場所に位置しているマフラー触媒に付着するようになると危険性も増加しますので、やはりオイル漏れは見付け次第、修理をお勧め致します。

それではまた次回です。

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ポルシェ整備 996 オイル漏れ修理

春を満喫する前に夏が来たのでは?と思わせるこの陽気。暑いくらいですね~。まあ、私には寒いよりは1000%マシなんですけどね!!

さて今回は、996のオイル漏れ修理です。エンジンとミッションの繋ぎ目の辺りに大きな滴が出来ており、かなりの量が漏れていました。このままですとフライホイールがオイルをまき散らし、クラッチディスクにオイルが染み込んでしまいかねません。修理が必要です。早速ミッションを外し、状況の確認を行います。996カレラはMTであればミッションだけを脱着する事が可能ですが、ティプトロニックはエンジンと一緒に脱着しなければならず、費用に差が出てしまいます。

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外したクラッチ部品を点検すると問題は特に無く、ディスク残量も充分な事から再使用が可能ですので費用が抑えられました。フライホイールを外すとオイル漏れの原因が見えました。画像中央がクランクシャフト、その回りにクランクシールが取り付けされています。これが漏れの根源です。クラッチの粉により、またその廻りが黒ずんでいます。漏れたオイルがホコリやクラッチ粉を定着させこれがシールに噛み込むと更に漏れを促進させます。場合によってはクランクシャフトに傷を入れてしまう事も有ります。クランクシールはシャフトが回転する事で、かきだされるオイルを止める役割をしています。

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患部をまずは洗浄してクランクシールを打ち替えます。純正でシールを挿入する専用ツールが存在しますが、これはあくまでも私個人の感想になりますが、少し癖が有るようで本当に真っ直ぐ均等に挿入出来ている時とそうでない時が有るのであまり信用が置けないかな~っと思っていますので、私は昔ながらの方法で挿入をしています。

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こちらがクランクシールです。空冷時代のクランクシールよりも内側のシール部分が広く(長く)なり、挿入する際に内側へと巻き込む危険性が上がった為に新品には防止策として樹脂のカラーが付いて納品されます。

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シールを打ち替え、クラッチを組み、ミッションを載せれば作業は完了です!

ではまた次回です。

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ポルシェ整備 968 エンジンオイル漏れ修理

桜が・・・・・・・・・・・・。散ってしまいます・・・・・・・・・・・・・・。

さあ、今回は少々懐かし車輌の部類になってしまいました、ポルシェ968です。924・944を経てエンジンをフロントに搭載した4気筒モデルの最終型になります。前後の重量配分を50:50にし、自動車を操る楽しみを教えてくれる1台です。

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エンジンヘッドカバーからのオイルが激しく、ガスケット交換作業を行いました。カバーを空けてみるとエンジンオイルの色が染み付いてはいるもののスラッジのような物は一切無く、年式の割にはとても綺麗な状態です。これはオイル交換を定期的に行っている証拠です。また、良質のオイルを使用している証でも有ります。

カムシャフトにチェーンが掛っていますが、これはタイミングチェーンでは有りません。968はベルトを使用してタイミングを取っています。このチェーンは「バリオカム」という装置になります。いわゆる可変バルブタイミング装置ですね。エンジン回転数1500rpm~5500rpmで作動し、オーバーラップを多く取るようにさせる事で高回転仕様のエンジンにさせるわけです。

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タペットカバーの裏側です。強度を出す為に格子状にハリが形成されていますね。フィンの様なものと考えれば、同時に冷却効果も有るように思うのですが、そこは正では有りません。

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ん~、この時代のポルシェもいいですよね~。やっぱりポルシェはいいですよね~~~。

 

ではまた次回です。

 

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ポルシェ 996 タペットカバーオイル漏れ修理

ここのところ暖かくなったり、冷え込んだりで不安定な陽気だな~と思っていたら、とうとう雪が降って来ました。量は大した事が無く安堵しましたが冷え込みが厳しいですね。早く温かい季節を迎えたいものです。

さて今回は、ポルシェ996 エンジンオイル漏れ修理です。水冷化したポルシェエンジンもオイル漏れが目立つようになって来ました。最も多い箇所は今回ご紹介のタペットカバーになります。シリンダーヘッドにはシール剤を塗布して取り付けされています。漏れを修理するにはカバーを脱着しシール剤を塗り直すしか有りません。

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こちらは作業を進めるに当たり必要となる部品です。オイルシールリング等のパッキン類が中心です。

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取り外したタペットカバーの裏側です。良くみるとカムシャフトのホルダーを担う箇所が有ります。シリンダーヘッドとの合わせ面にはパッキンが入れられない理由がここに有ります。ただの蓋では無いんです。また、ヘッドとカバーはマッチングされていますので、カバーだけの交換が不可能です。ペアーでの部品供給となっています。

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カバーを外したエンジン側です。

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こちらはオイルポンプです。カバーとヘッドに挟まれる形で取り付けされております。中心の突起はカムシャフトに刺さり回されます。左右バンクに付いています。

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バルブタイミングを調整する際にサービスホールとなる箇所のキャップです。カムエンドキャップなんて呼ばれます。キャップ裏を見ますとベースとなる金属にグリーンのラバーシールを成型させています。金属中央はくり抜かれ、キャップ中心部のゴムを破きツールで引っかけるようにして取り外しをします。

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こちらはプラグホールチューブです。スパークプラグは黒い筒の中を通り、ヘッドに取り付けされます。その後にイグニッションコイルが刺さります。水冷エンジンの前期はこの筒が付くタイプです。後期は廃止となりました。

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スパークプラグとイグニッションコイルです。作業で外す必要が有るのとコイルが新車時のものが付いており、いずれリークすると思われましたので、今回は交換をさせて頂きました。

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点火系のリフレッシュによりエンジンの吹け上がりが良くなり、オイル漏れも完治致しました!これで春の行楽シーズンもバッチリ楽しくドライブ出来ますね!!

また次回です。

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ポルシェ 993 油温管理は重要です。

クリスマスです。いよいよ今年も終わりに近づいたな~っと思います。年末モード突入ですね!

さて、今回も空冷エンジンのお話しです。
空冷911モデルはフロントバンパー右側にオイルクーラーが有るのはご承知の通りです。964から電動ファンが追加となり、油温管理が出来るようになりました。ファンはリレー回路を使用してHI/LOWの2段階で回ります。ファン回転速度を下げる為にLOW側回路途中にレジスターを設けています。レジスターは非常に高温になります。また取り付け位置も狭く閉鎖された所に有りますので拍車を掛けて冷えづらいせいも有り、良く壊れます。特に993は多いですね!

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レジスターが故障していると当然、低回転は回りません。しかしオーバーヒートを防ぐ為に回路を2つに分けて油温が上昇すると高回転側は作動出来るようになっています。ただ、この状態を続けているといい事が有りません。
正常な状態で有れば、有る程度の温度になると低回転が作動してそこそこオイルを冷やします。そして徐々に低回転が追いつかない温度になると高回転が回ります。つまりは油温が上がる速度に時間を掛けさせるイメージです。ところが、レジスターが故障していると油温は高回転が回る温度までなんの障害も無く上昇していきます。限界の温度域です!ようやく回るファンで一気に冷却。そして限界域まで上昇を繰り返します。これがボディーブローのようにエンジンへ負担を掛けます。熱がこもり、オイル漏れを促進してしまう原因となってしまいます。

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取り付け位置はオイルクーラー奥の上部、ヘッドライト真下に取り付け去れています。最初の画像にはステーを増設し、レジスター取り付け位置を変更していました。冷却効果を狙ったものと思われます。理想は走行風が当たる位置、または大きな鉄板部に移設してあげると長持ちします。

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新しく部品を取り寄せると、レジスターの台座に使用する鉄板が同封されるようになりました。熱伝動を考えてメーカーが改善策としたものです。ただ、ここまでお話ししたのは、停車時や夏の暑い日をイメージしての事ですので、走っていれば大きな問題ではありあせん。だって、走行風でオイルクーラーもエンジンも冷やされますから!!

ではまた次回です。

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ポルシェ 993 タペットカバーオイル漏れ

台風と共に肌寒い風が吹くようになって来ましたね。紅葉を見に行こうかと考えています。

さて、シリーズ的に空冷ポルシェのお話しが続きますが、993のエンジンオイル漏れです。
ここはとにかく派手な感じの症状になるところですね。タペットカバーガスケットからの漏れは漏れ始めるとみるみる進行します。マフラーが近いのも原因と思います。964はタペット調整を定期的に行う事により、必然とガスケット交換が必要となっていました。993は自動調整式になりましたのでカバーを外す事が無くなってしまいました。漏れ始めたガスケットは大抵の場合、硬化していましてゴムがプラスチックのようになってます。ポキポキと折れてしまう程です。
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そして、垂れ落ちたオイルはヒーター用の温風元となるヒートエクスチェンジャーの窪みに溜まります。ここはマフラーでも有りますのでオイルが焼けて派手に煙を立てる事になります。また当然、臭いも凄いです。
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外したタペットカバーを裏返し、ガスケットが外れた状態の画像です。964まではアルミやマグネシュウムなど金属性でしたが、993は樹脂になりました。取り付けボルト部はアルミのカラーが付いている構成となっています。ときおりこのカラーからもオイル漏れが見受けられますが、こちらも原因はガスケットの不良ですので、修理は同じ手法となります。
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ではまた来週です!

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ポルシェ 993 エアーガイド破れ

いよいよジャケットが必要になってきましたね!肌寒く感じる日が出てまいりました。

さて、993のお話しです。
エンジンフードを空けるとまず目に入るのがオルタネーターファンですね。ポルシェエンジンの象徴と言っても過言では有りません。ファンが収まっているのがファンシュラウドです。普段は見えませんが後方はすぼめられた構造になっていまして、ファンの風速を上げています。風速の上がった空気はシリンダーやヘッドのフィンを通り下側に排出されます。つまりはエンジンを冷やしている訳です。エンジンを停止した後は温度センサーの信号によりヒーター用のブロワーモーターが回転し、エンジンにこもった熱を処理しています。

ヒーターブロワーに仕事をしてもらうのにファンシュラウド上部にエアーガイドが有ります。964はプラスチックのプレートと言った感じの部品だったのですが、993の途中からヒーターブロワーの構成変更に伴いラバー製へと姿を変えました。形も変更されています。ところが、経年により画像のように割れて大穴が開いてしまうというデメリットが出てきてしまいました。

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この状態では、大穴から風がほとんど逃げてしまい、冷却効果はほぼなくなってしまいます。熱がこもるとエンジンのオイル漏れを引き起こす原因となり、また進行も早めます。

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油冷とも言えるポルシェエンジンはオイル温度の管理も非常に重要です。オイルクーラーファンの作動が正常でないと、油温が高い状態となり直接エンジン温度に影響を及ぼします。いつもよりちょっと油温が高いなと思ったら大抵はオイルクーラーファンのステージ1が回っていないと思われます。このように僅かな温度差がボディーブローのようにエンジンに影響を及ぼし、オイル漏れが発生してしまう状況を生み出してしまいます。

エンジンの温度管理は非常に重要なんです!!

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