マリオットマーキーズポルシェ整備ブログをご覧いただきありがとうございます。
本日の整備はポルシェ911 996型(NAエンジン)の水漏れ修理です。
メーターに冷却水不足の警告表示が出たということで入庫されました。
さっそく点検していきます。冷却水不足の警告灯が出たということですので、まず冷却水タンク内のクーラント量を確認しますが、タンクにクーラントがほとんど入っていない状態でした。
クーラントタンクのレベルセンサーが故障して警告が出る場合も多いのですが、今回はエンジンの冷却水が漏れてタンク内の水量が減ったということで間違いありません。
次はどこからクーラント漏れが起きているかを点検します。エンジンルーム内のホース類に漏れはなさそうなのでリフトアップして下廻りを点検すると、クーラントが垂れた跡があり、跡をたどるとオイルセパレーターからすごい量のクーラント漏れが確認できました。
このクーラント漏れが原因でクーラントタンク内のクーラントが減り、クーラントレベルがLowを下回ったことで冷却水不足の警告表示が出ていました。
ポルシェ996ではセパレーターからクーラントが漏れることが多く、セパレーターはエンジンの奥まったところに取り付けられているため交換にはエンジンを脱着しての作業となりとても時間がかかります。
お客様にご説明させていただき、今回はオイルセパレーター、セパレーター廻りのホース、劣化している冷却水タンクの交換を行います。
セパレーターの交換はエンジンを脱着するためエアコンパイプ、水廻りのホース、ドライブシャフトなどその他補機類を取り外し、エンジンを車体から切り離していきます。
慎重に交換作業を行ってエンジンを車載し、水廻りのホース、その他補機類を取り付け後、リークテスターを使用してクーラント回路に水漏れがないことを確認します。
最後に走行テストを行い問題がありませんでしたので作業完了となります。
ポルシェ996はエンジンが車体後部にありレイアウト上、走行風が当たりづらいためエンジンの冷却には冷却水が大事になります。
なのでこのようなクーラント漏れを放置しているとエンジンオーバーヒートを起こします。
最悪エンジン本体の故障につながるので早期修理が大切です。実際に弊社でもエンジンのヘッドガスケットが抜けた車両を何台も確認しています。
今回はオイルセパレーターからの漏れでしたが、クーラント漏れを起こす箇所は他にも沢山ありますので、何か気になることがありましたら弊社にご相談ください。
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